Webマーケティングにおけるユーザー層には大きく分けて4種類ありますが、
中でも意識しなければならないのが「潜在層・顕在層」です。
では潜在層・顕在層とはどういったユーザー層なのか、
どういったアプローチが有効なのかなどを詳しく見ていきましょう。
Webマーケティングにおける4つのユーザー層
Webマーケティングにおけるユーザー層は大きく分けて
・非認知層
・潜在層
・顕在層
・認知層
の4種類となっています。
「非認知層」は、自社の製品やサービス、
場合によっては自社の存在そのものを知らない人たちのことです。
「潜在層」は、自社が取り扱っている製品やサービスのジャンルには
興味・関心を持っている人たちです。
ただ興味や関心があるだけで、そのジャンルに関する知識はほとんど無く、
場合によっては自社の製品・サービスの存在を知らないこともあります。
「顕在層」は、自社が取り扱っている製品やサービスのジャンルに深い興味があり、
実際に利用を検討している人たちです。
自社の製品やサービスについても知っており、競合他社の製品やサービスと
比較検討を行っていて「見込み客」と言われることもあります。
「認知層」は、自社の製品やサービスを既に知っていて、
場合によっては既に利用している人たちのことです。
自社の製品・サービスへの関心は非認知層<潜在層<顕在層<認知層の順で高く、
人数は認知層<顕在層<潜在層<非認知層の順で多くなります。
潜在層と顕在層の違いは関心度の高さ
潜在層と顕在層の違いは、自社の製品・サービスに対する関心度の高さです。
潜在層は自社の製品・サービスのジャンルに関心があるだけで、
自社の製品・サービスそのものに関心を持っているわけではありません。
顕在層は自社の製品・サービスのジャンルに高い関心があって、
自社の製品・サービスにも関心を持ってくれています。
例えば自社が男性用化粧品を取り扱っているとすると、
潜在層は男性用化粧品に漠然とした関心を持っています。
しかし男性用化粧品にはどういったものがあるのか、使うことでどういう効果があるのか、
今の自分に必要なのかといったことは分かっていません。
顕在層は男性用化粧品に高い関心があるので、男性用化粧品の種類や効果、
今の自分に対する必要性を理解しています。
ただ実際に購入・使用にまで至っておらず、
男性用化粧品の利用自体を検討している段階です。
同じ男性用化粧品に関心を持っている層でも、
潜在層と顕在層では男性用化粧品に関して得ている情報量が全く違うのです。
得ている情報量が全く違うわけですから、
潜在層と顕在層ではWebマーケティングにおけるアプローチ方法も全く違ってきます。
Webマーケティングで4つのユーザー層を意識しないといけない理由
Webマーケティングを行う上では、
4つのユーザー層を意識した施策を考えなければいけません。
4つのユーザー層で自社の製品・サービスに対する知識や関心、理解度が全く違うので、
同じアプローチ方法では層によっては全然響かないことになってしまうのです。
例えば男性用化粧品で言うと、非認知層に対して詳細な成分や使い道を説明しても
男性用化粧品を利用するという行動には繋がりません。
反対に認知層に対して男性用化粧品についての概要を説明しても、
既に知っていることなので意味が無いです。
潜在層・顕在層に対しても同じで、それぞれの層に合った方法でアプローチしないと
全くマーケティングの効果が表れないのです。
ユーザー層を意識するとKPIが明確になる
4つのユーザー層を意識してWebマーケティングを行うことで、「KPI」が明確になります。
KPIは「Key Performance Indicator」の略で、日本語で言うと「重要業績評価指標」です。
(https://biz.moneyforward.com/payroll/basic/61264/)
もっと簡単に言うと、当初に立てた目標がマーケティングを行うことで
どの程度達成できたかを計測する数値といったところです。
KPIを設定することで事業の進捗状況が見えるようになり、
継続か方向転換かといった重要な意思決定も迅速に行えます。
例えば非認知層に対するマーケティングでは、
ホームページの閲覧数や公式動画の再生回数がKPIとなります。
潜在層であれば資料請求の数、顕在層であれば購入ページの閲覧数や
問い合わせ件数、認知層なら販売数などです。
どのユーザー層に向けてマーケティングを行うのかを意識することで、
おのずと設定すべきKPIが見えてくるのです。
潜在層に向けたアプローチ方法
潜在層に向けて自社の製品・サービスをアピールするのに適した方法として
「SNS広告」が挙げられます。
X(旧Twitter)やInstagramなどに出稿する広告のことで、タイムラインの途中などに
挟まれるインフィード広告、設定された枠に掲載されるディスプレイ広告などがあります。
(X:https://business.twitter.com/ja/advertising.html)
(Instagram、Facebook:https://ja-jp.facebook.com/business/ads)
(LINE:https://www.lycbiz.com/jp/service/line-ads/)
(TicTok:https://tiktok-for-business.co.jp/)
(YouTube:https://www.youtube.com/intl/ALL_jp/ads/)
SNSから様々なトレンドが発信されており、
特に若い人の間では情報収集の手段としてもSNSが使われているのです。
日本におけるSNSの普及率は8割を超えていて、XやInstagramはネット利用者の
半数以上が利用するなど延べ9000万人以上が利用しているとされています。
また若年層はInstagram、壮年層はX、高齢者層はFacebookと年齢層によって
大まかな色分けもできているので、狙った年齢層にアプローチしやすいです。
1日の出稿費用の上限が設定できるようになっているので、
広告費用が想定以上に嵩む心配がありません。
インフィード広告はタイムラインの途中に自然に差し込まれるので、
ユーザーは広告に対して違和感や嫌悪感を抱きにくいです。
「いいね」の数で広告に興味を持ったユーザーの数が分かりますし、
シェアによってユーザーが広告を広めてくれます。
ディスプレイ広告
潜在層向けに適したアプローチ方法には「ディスプレイ広告」もあります。
ディスプレイ広告はWebサイトやスマホアプリの画面上下左右など決まった枠に
表示される広告のことです。
バナー広告とも言われるもので、
ネットやアプリを利用していると必ず言って良いほど目に入ります。
基本的にディスプレイ広告は、利用しているWebサイトやアプリの内容に
関連したものが表示されるようになっています。
例えば、美容関係のサイトを見ていたら男性用化粧品のディスプレイ広告が
表示されるといった具体です。
Webサイトの内容と全く関係ない広告が表示されるわけではないので、
ユーザーは広告に対して違和感や嫌悪感を抱きにくいです。
広告料は基本的に従量課金で、広告がクリックされるもしくは広告が表示されると
料金が発生する仕組みとなっています。
前もって預け入れたデポジットから課金額を差し引いていく形式が多く、
デポジットの金額で広告予算の管理が可能です。
顕在層に向けたアプローチ方法
顕在層に向けたアプローチ方法として適したものとしては「リスティング広告」が
挙げられます。
リスティング広告はGoogleやYahoo!などでキーワード検索した時に検索結果上部や
下部に表示される広告で、「広告」や「スポンサー」の表示が付いています。
自社の製品・サービスに関連するキーワードが検索された時に表示されるので、
顕在層向けのアプローチ方法に適しているのです。
関係の無いキーワード検索では広告が表示されませんから、
ユーザーに違和感や嫌悪感を抱かれにくいです。
リスティング広告の料金はクリックされるごとに課金される従量課金ですから、
広告費はそれほど大きくなりません。
ただ競合他社が居る場合は入札で単価が決まるので、
1クリック当たりの単価が高くなることもあるので注意が必要です。
自社サイトの充実
顕在層に向けてアプローチするには、「自社サイトを充実させる」ことも有効です。
自社の製品・サービスのジャンルに既に関心があり、
具体的な比較検討に入っている段階のユーザーも少なくありません。
具体的な比較検討では公式サイトにアクセスして詳細な情報を入手することもあるので、
自社サイトの内容を充実させておくのです。
顕在層が欲しているであろう情報は過不足なく掲載し、
動線設計や読み込み速度などユーザビリティも意識しましょう。
まとめ
潜在層・顕在層へのアピールが成功すると、
自社の製品・サービスのユーザーが一気に増える可能性があります。
Webマーケティングにおけるユーザー層の違いをしっかりと理解して、
それぞれの層に合ったアプローチ方法を考えてください。