共感マップ(エンパシーマップ)の作り方4ステップ

Webサイトではユーザーの求めているものを提供することが重要で、そのユーザーの
求めていることを理解するのに役立つのが「共感マップ(エンパシーマップ)」です。

では共感マップとは具体的にどういったものなのか、
作り方を含めて詳しく紹介しましょう。

共感マップとは

共感マップは最近注目を集めているマーケティングのフレームワークの1つです。

商品やサービスなどの主なターゲットとなるユーザーが「どういった環境に身を置いて」
「どういった感情を抱いているのか」を理解するためのものです。

人は行動を起こす時には必ずと言って良いほど何らかの感情を伴っています。

買物や旅行に出かける時には「楽しい」「嬉しい」と感じていますし、
「悲しい」という感情を忘れるために買物や旅行に出かけることもあるでしょう。

「困惑」や「怒り」といった感情を感じた時には、
感情の対象へ抗議をしたり問題解決のための提案をします。

Webサイトの主な目的の1つが、
問い合わせ・資料請求・購入など何らかの行動を起こしてもらうことです。

主なターゲットとなるユーザーに「共感」することで、ユーザーが求めているものが
提供できてこちらが求めている行動を起こしてもらえます。

ユーザーに共感するのに重要な役割を果たすのが
「共感マップ(エンパシーマップ)」なのです。

共感と押しつけは違う

Web制作で重要なのはあくまで共感で、
制作側の善意を押しつけるようなことになってはいけません。

例えば洋服店や靴店などに入った時に、
「何かお探しですか?」と店員さんに声をかけられることがあります。

実際に何か目的の物を探している時に店員さんに声をかけてもらうと「ありがたい」と
感じます。

ところが特に目的の物が無くて単に商品を眺めているだけの時には、
店員さんに声をかけられると「鬱陶しい」と感じることが大半です。

店員さんはあくまでお客さんのためを思って声をかけているのですが、
お客さんが置かれている状況によって感じ方が180度変わってしまいます。

Web制作に置き換えると「求めているのはこれですよね」と制作者が提示したものを
「これこれ」と感じる人も居れば「これじゃない」と感じる人も居るということです。

「これですよね」と提示したものに対して「これじゃない」と感じられると
ユーザーに共感できていないことになります。

ユーザーに共感することは制作側がユーザーに寄り添うことであり、
決して制作側の考えをユーザーに押しつけることではないのです。

共感マップは6つの要素で構成される

マーケティングで使われる共感マップは6つの要素で構成されています。

1つ目は「See(見ているもの)」です。

Webサイトのターゲットとなるユーザーが普段の生活の中でどういった物を見ているか、
ということです。

商品やサービスを選ぶ際に何を重視するのか、実際に商品やサービスを
使っている時にどんなポイントに注目しているのかといったことも含まれます。

単に目に入るものを大まかにではなく、
より具体的にどういったものに注目しているのかをピックアップしなければいけません。

例えばTVならどういう場面、YouTubeやSNSなら
誰のどういった動画、投稿といったことが必要です。

聞いていること

共感マップを構成する2つ目の要素は「Hear(聞いていること)」です。

ターゲットとなるユーザーが耳にしていることで、周囲の人から何を言われているのか、
どんな音楽を聴いているのかといったことです。

単に耳に入るだけでなく「どういった意見や考え方を参考にしているのか」も
聞いていることに含まれます。

先の見ているものと同じで大まかなことではなく、「どこのブランドのどの商品」とか
「誰の何と言う曲」などより具体的にピックアップしなければいけません。

考えていること、感じていること

3つの要素は「Think and Feel(考えていること、感じていること)」です。

ターゲットとなるユーザーが人や物など何かに接する時にどんなことを考え、
感じているかをピックアップします。

困っていることや不安なこと、将来の夢や希望なども考えていること、
感じていることに含まれます。

先の見ているものや聞いていることは観察である程度分かりますが、
考えていること、感じていることは人の内面なので観察だけでは分かりません。

最初は「こう考えているだろう」「こう感じているだろう」ということを挙げて、
アンケートやインタビューで実際の声を聞いてブラッシュアップすることになります。

言っていること、行っていること

4つ目の要素は「Say and Do(言っていること、行っていること」です。

ターゲットとなるユーザーが家族や友達、同僚などにどういった話をしているのか、
どんな接し方をしているのかということです。

具体的にはよく口にする言葉であったり、SNSなどでの発言、
人と接する時の立ち居振る舞いやクセなどとなります。

意識して話していることや行っていることはもちろん、
無意識に口にしている言葉や行動も含まれます。

痛み、ストレス

5つ目の要素は「Pain(痛み、ストレス)」です。

ターゲットとなるユーザーが抱えている悩みや不安、ストレスに感じていることを
ピックアップします。

先の考えていること、感じていることに近いですが、
こちらではユーザーにとってネガティブなことを取り上げます。

新しい商品やサービスは、
悩み・不安・ストレスを解消することを出発点として開発されるケースが多いです。

痛みやストレスはユーザーが求めていることに直結する要素であり、
共感マップを構成する6つの要素の中で一番重要となります。

欲しいもの、得られるもの

6つ目の要素は「Gain(欲しいもの、得られるもの)」です。

ターゲットとなるユーザーが普段の生活の中で欲しいと感じているもの、
得られると嬉しいと感じているものをピックアップします。

5つの要素である「Pain」を解決した結果得られるであろうもの、
得たいものもGainに含まれます。

Gainもユーザーが求めていることに直結する要素なので、
先のPainと同様に6つの中でより重要です。

共感マップの作り方

共感マップの作り方の手順は
 1.ターゲットとなるユーザーの情報を集める
 2.ペルソナの設定
 3.6つの要素をピックアップ
 4.出来上がった共感マップを検証してブラッシュアップ
となります。

最初のステップは「ターゲットとなるユーザーの情報を集める」で、
これはアンケートやインタビューの実施が最も手っ取り早いです。

時間や予算に余裕が無いなら実施しなくても良いですが、
アンケートやインタビューを実施した方が次のペルソナ設定の精度がより高くなります。

アンケートやインタビューを実施する際には、
「制作側が求める答えに誘導するような聞き方」をしてはいけません。

あくまでフラットに共感マップの6つの要素に繋がるパーソナリティを引き出すことが、
アンケートやインタビューでは重要です。

アンケートやインタビューが実施できない場合は、既存の顧客データやSNSの
書き込みなどからペルソナ設定に必要な情報をピックアップすることになります。

直接顧客と接している問い合わせ担当などが居るなら、
その担当者から顧客についてヒアリングするのも1つの方法です。

ペルソナの設定

ターゲットの情報を集めたら次は「ペルソナの設定」を行います。

ペルソナはターゲットとなるユーザーのことで、
架空ではあるものの実際に存在しそうなユーザーの人物像です。

一般的にターゲットと言えば「20代前半の女性」とか「30代から40代の男性」といった
大まかなものです。

ペルソナは20代前半の女性でも
 ・23歳
 ・都内の中堅メーカーに勤務
 ・有名私大を卒業して入社1年目
 ・研修期間を終えて営業部に配属
 ・大学時代から付き合っている彼氏と同棲中
 ・結婚はまだ意識していない
 ・将来的には子供が欲しいと考えている
 ・趣味は旅行と音楽鑑賞
 ・最近はK-POPにハマっている
 ・K-POPの本場韓国への旅行を検討している
などより詳細で具体的な人物像を設定します。

架空とは言えより詳細で具体的な人物像を設定するには、
アンケートやインタビューで情報を集めておくのがベターです。

ペルソナを設定することで、
共感マップを構成する6つの要素がピックアップしやすくなります。

共感マップを構成する6つの要素をピックアップ

ペルソナが設定できたら、
次は共感マップを構成する6つの要素をピックアップしてきます。

アンケートやインタビューで集めた情報を元に、
考えていることや感じていることなど内面部分は推測を加えながら書き出しましょう。

共感マップを作る際には視点が偏らないように、
性別や年齢など属性の違う複数人で作成するのがベターです。

「See」「Hear」「Think and Feel」「Say and Do」の4要素をまずピックアップしてから
「Pain」と「Gain」をピックアップするのが一般的となっています。

実際にペルソナが置かれている状況や考えていることなどがハッキリしてからの方が、
困っていることや欲しいものが見えてきやすいです。

共感マップのテンプレートはネットで簡単に見つかりますから、
自分の使いやすいものを探して使ってください。

検証してブラッシュアップ

共感マップが出来上がったら、その内容を検証してブラッシュアップしていきます。

アンケートやインタビューで集めた情報を元にしているとは言え、
制作者の主観や偏見が入りすぎていることも十分に考えられます。

出来上がった共感マップを元に再度アンケートやインタビューを行って内容を検証、
実像と沿わないものに修正を加えるのです。

ブラッシュアップすることで共感マップの内容をペルソナの実像に近づけることが
できます。

まとめ

最近のWeb制作では共感マップを作ることが増えていますが、
現状では必要不可欠なものとまでは言えません。

ただユーザーのニーズにしっかりとアプローチできるWebサイトを作るのであれば、
共感マップの作成も検討すると良いでしょう。