長い文章ほど読みにくく、
読みやすい文章を書くのであれば「一文を短くする」ことを意識しましょう。
今回は読みやすい文章を書くのに必要な一文を短くするコツを詳しく紹介します。
一文で扱う話題は1つ
一文を短くするコツ1つ目は「一文で扱う話題は1つ」にすることです。
一文の中で2つも3つも話題を扱うと、どうしても文章が長くなってしまいます。
「今日は高気圧の勢力が強まるので晴れますが、
明日は高気圧が弱まって発達した低気圧が近づいてくるのでお天気は下り坂です。」
上記の文章は内容がまとまっているようにも見えますが、一文で
・今日は晴れる
・高気圧の勢力が強まる
・明日は天気が下り坂
・高気圧が弱まって低気圧が近づく
と4つもの話題を入れ込んでしまっています。
一文に4つもの話題を入れると文章が長くなるだけでなく、
要点もぼやけて「結局何が言いたいのか」が分かりにくくなるのです。
「今日は晴れます。高気圧の勢力が強まるからです。
しかし明日は高気圧が弱まって低気圧が近づいてきます。お天気は下り坂です。」
一文に1つの話題を意識して先の文章を書き直すと、このようになります。
一文が短くなって、全体として「今日は晴れるが、
明日はお天気が下り坂」ということを伝えたいことが分かりやすくなっています。
一文で扱う話題は1つを意識すれば必然的に一文は短くなりますし、
伝えたいことも伝わりやすくなるのです。
主語と述語はできるだけ近づける
主語と述語をできるだけ近づけることで一文を短くできます。
「今日は高気圧の勢力が強まるので晴れます。」という文章では、「今日は」が主語、
「晴れます」が述語です。
主語の「今日は」と述語の「晴れます」の間に「高気圧の勢力が強まる」という説明文が
入ってしまっています。
主語と述語の間に別の情報を入れることで文章が長くなり、
要点がぼやけてしまうのです。
「今日は晴れます。高気圧の勢力が強まるからです。」と主語と述語を近づけて、
説明文は別で書くと一文を短くなってスッキリします。
最初に結論を書く
「最初に結論を書く」ことも読みやすい文章を書く上では重要です。
「今日は高気圧が勢力を強めます。雨が降る心配もありません。
しかし明日は高気圧の勢力が弱まって低気圧が近づいてきます。
そのため今日は晴れますが明日はお天気が下り坂です。」
起承転結を意識して天気に関する文章を書くとこのようになります。
起承転結を意識すると結論が最後に来るので、
最後まで読んでもらわないと伝えたいことが伝わりません。
ただ文章が長くなると途中で止めてしまうことも十分に考えられます。
途中で読むのを止められると伝えたいことが伝わらなくなってしまうのです。
「今日は晴れます。しかし明日はお天気が下り坂です。
今日は高気圧の勢力が強まります。雨の心配もありません。
明日は高気圧が弱まり低気圧が近づいてきます。」
最初に結論を書くことを意識すると、
冒頭部分を読んだだけで「今日は晴れ、明日は下り坂」ということが分かります。
読み手としても冒頭で最も知りたいことが知れるので読みやすい文章となるわけです。
PREP法を使う
最初に結論を言ってしまう文章の書き方の1つに「PREP法」というものがあります。
PREP法は「Point(結論)」「Reason(理由)」「Example(具体例)」「Point(結論)」の
順番で文章を書く方法です。
「今日は晴れます。しかし明日はお天気が下り坂です。
今日は高気圧の勢力が強まります。雨の心配もありません。
明日は高気圧が弱まり低気圧が近づいてきます。
今日は傘は要りませんが明日は傘の出番です。」
冒頭で「今日は晴れます。しかし明日はお天気が下り坂です。」と結論を書きます。
「今日は高気圧の勢力が強まる」「明日は低気圧が近づいてくる」と、
冒頭の結論を裏付ける理由を続けます。
「雨の心配もありません」と具体例を挙げて、
今日はどれぐらい晴れるのかを説明するのです。
最後の「今日は傘は要らない」「明日は傘の出番」で「今日は晴れるが明日は下り坂」
という結論をもう一度念押しします。
最初に結論を書くことで要点が伝わりやすくなり、
結論の次に説明や具体例を持ってくることで最初の結論に説得力が増します。
最後にもう一度結論を念押しして、読み手に結論を強く印象付けるのです。
最初に結論を書いて読みやすい文章にするならPREP法を意識するのがおすすめです。
不要な接続詞は使わない
一文を短くして読みやすくするには「不要な接続詞は使わない」ようにしましょう。
「今日は晴れます。なぜなら今日は高気圧の勢力が強まるからです。
なので雨の心配もありません。しかし明日は高気圧が弱まり低気圧が近づいてきます。
従って明日はお天気が下り坂です。」
この文章では「なぜなら」「なので」「しかし」「従って」という接続詞が使われていますが、
「しかし」以外の接続詞は使わなくても意味が通じます。
「今日は晴れます。高気圧の勢力が強まるからです。雨の心配もありません。
しかし明日は高気圧が弱まり低気圧が近づいてきます。明日はお天気が下り坂です。」
「しかし」以外の接続詞を使わないと、
意味はそのままで文章を短くスッキリさせることができるのです。
「しかし」のような逆接の接続詞は必要で、
使わないと文章の意味が伝わりにくくなってしまいます。
「なぜなら」など順接の接続詞は不要なことも多く、
使わなくても意味が通じるなら使わなくて構いません。
不要な言葉も使わない
接続詞以外でも不要な言葉は使わない方が文章は読みやすいです。
「今日は晴れます。高気圧の勢力がすごく強まるからです。雨の心配も全くありません。
しかし明日は高気圧が少し弱まり低気圧が近づいてきます。
明日はお天気が徐々に下り坂となります。」
「すごく」「全く」「少し」「徐々に」といった程度を表す言葉は、
この文章では使わなくても意味が通じます。
そのままでも意味が通じる文章に不要な言葉を付けたすと、
意味は変わらないのに文章が長くなるだけです。
接続詞と同様に使わなくても意味が通じる言葉はできるだけ使わないようにしましょう。
専門用語もできるだけ使わない
読みやすい文章を書くのであれば専門用語もできるだけ使わない方が良いです。
一般的に広く知られていない専門用語を使うと、
専門用語を説明する文章が必要となります。
例えば「今日は気圧の尾根が近づいてきます」という文章だけでは、
天気に詳しい人以外には今日は晴れるのか雨が降るのかが分かりません。
気圧の尾根は低気圧と低気圧に挟まれた気圧の高い部分のことであり、
一般的に高気圧といった方が伝わりやすいです。
「気圧の尾根が近づく」と書くと気圧の尾根の説明が必要ですが、
「高気圧が近づく」と書けば説明文は必要ありません。
気象予報士などの専門家に言わせると、
気圧の尾根と高気圧ではニュアンスが違うのかもしれません。
しかし「気圧が高いこと」「天気が良いこと」は同じですから、多少ニュアンスは違っても
分かりやすい表現を使う方が読みやすい文章になるのです。
二重表現にも注意
長くて読みにくい文章にありがちなのが「二重表現が使われていること」です。
例えば「連日35度を超える猛暑が続いており、
今日の夜も晴れて満天の星空が広がるでしょう」は二重表現となります。
「連日」には「何日か引き続いて」という意味があるので、
「連日」と「続いて」で意味が重なっています。
「満天」には「空いっぱい」という意味がありますから、
「満天の星空」ではなく「満点の星」が正しい表現です。
先の文の二重表現を解消すると「連日35度を超える猛暑となっており、
今日の夜も満天の星が広がるでしょう」となります。
二重表現を解消することで、
文章の長さはそれほど変わらないものの表現がスッキリして読みやすくなっています。
読点は一文に2つまで
SNSやブログを見ていると、
読点をたくさん使っていて読みにくくなっていることが多々あります。
読点の使い方に明確なルールはありませんが、
読みやすい文章にするなら読点は一文に2つまでを心がけましょう。
極端な例ですが「しかし、明日は、高気圧が、弱まり、低気圧が、近づいてきます。」と
一文で5つも読点を使うと読みにくいですし意味も分かりにくくなります。
「しかし明日は高気圧が弱まり、低気圧が近づいてきます。」とした方が
スッキリして読みやすく、意味も分かりやすいです。
箇条書きを駆使する
一文を短くするには「箇条書きを駆使する」というテクニックもあります。
「今日のお天気は晴れのち曇りで、朝の内は晴れますが午後には雲が広がってきます。
夜遅くには雨が降るところもあるでしょう」
この文章で箇条書きを使うと
「今日は
・晴れのち曇り
・朝の内は晴れ
・午後は雲が広がる
・夜遅くに雨が降るところもある」
となります。
箇条書きを使うことで一文が短くなりますし、
伝えたい要点が4つであることも一目で分かるのです。
文章を書く上で箇条書きは汎用性が高くないものの、
上手く使えれば一文が短くて読みやすい文章が簡単に書けます。
一文は40~60文字
一文50文字前後が読みやすいとされているので、
40~60文字を目安に一文を書くようにすると良いでしょう。
「今日は高気圧の勢力が強まるので晴れて雨は降りませんが、
明日は高気圧が弱まって発達した低気圧が近づいてくるので
お天気は下り坂で夜には雨が降る可能性もあります。」
上記は約80文字の一文ですが、
さすがにちょっと長くて読みにくいですし要点も分かりにくいです。
「今日は晴れますが明日のお天気は下り坂です。
今日は高気圧が強まりますから雨も降りません。
明日は高気圧が弱まり低気圧が近づいてきて、夜には雨が降る可能性もあります。」
文章を3つに分けると一番長い一文でも約40文字程度に収まり、読みやすくなりました。
まとめ
読みやすい文章を書くには一文を短くすることが重要です。
一文で1つの話題しか扱わないことを意識すれば、
一文を短くすることはそれほど難しくありません。
まずは思いのままに文章を書いてみて、
分割したり不要な言葉を省いたりして読みやすい文章に校正してみてください。