Web制作で説得力のあるテキストを書きたい場合には
「PREP(プレップ)法」を使ったライティングを試してみるのがおすすめです。
ではPREP法とはどういったライティング方法なのか、
具体的な例文などを交えながら詳しく見ていきましょう。
PREP法は情報が伝わりやすくなるライティング方法
PREP法を使うと、
書き手が伝えたいことが読み手に伝わりやすい文章が書けるようになります。
PREPは「Point(結論)」「Reason(理由)」「Example(具体例)」「Point(結論)」の頭文字を
取ったものです。
結論→理由→具体例→結論の順番に当てはめて文章を書くだけで、
情報が読み手に伝わりやすくなります。
文章の冒頭いわゆるツカミの部分で結論を言ってしまうことで、
読み手は「どういうこと?」と書き手が結論に至った過程に対して疑問を持ちます。
次に冒頭の結論に至った理由を説明して、
「なるほどそういうことか」と読み手に少し納得してもらうのです。
その次に具体例を持ってきて先の理由を裏付けして、
「確かにそう言われればそういうこともある」と読み手の納得を深めます。
最後に冒頭の結論をもう一度持ってくることで、
書き手が伝えたかったことが読み手の印象にしっかりと残るのです。
WebライティングではPREP法は特に有効
Webサイトに掲載するテキストやブログなどのWebライティングでは、
PREP法を使った書き方が特に有効です。
ネットユーザーの多くは、Webサイトに掲載されているテキストの冒頭部分を読んで
その先読み進めるかどうかを決めています。
冒頭部分で内容に興味を持てば先を読み進め、
興味を持てなければ読むのを止めてサイト自体から離脱してしまうわけです。
実際に自分がネットで知りたい情報を調べる時のことを想像してみてください。
Googleなどで知りたい情報のキーワードを入力して検索、
結果一覧から自分が知りたいことについて書いてありそうなサイトを選びます。
その際に、サイトのタイトルと下に表示されているテキストの一部で
そのサイトを見るかどうかを決めているはずです。
タイトルや検索結果一覧に表示されるテキストの一部に結論が書いてあると、
「ここに知りたいことが書いている」と思ってアクセスしてくれる可能性が高くなります。
Webサイトで何かしらの成果を上げるにはまずアクセスしてもらうことが重要で、
PREP法を使ったテキストはアクセス数アップにも繋がるのです。
PREP法を使ったテキストの書き方
先にPREP法の構造を紹介しましたが、
ここではPREP法を使った文章の書き方をもう少し具体的に紹介します。
PREP法を使って文章を書く際には冒頭に「結論」を持ってきますが、
必ず「~です」「~だ」と言い切る形で文章を締めてください。
「~です」「~だ」と言い切る形の文章にすることで、
書き手の一番伝えたい情報が読み手にダイレクトに伝わります。
冒頭で結論を伝えるのに「~と思います」とか「~かもしれない」といった締め方だと
インパクトが弱くて読み手の印象に残りにくいです。
言い切る形で文章を締めると、情報が伝わりやすいのとともに一番伝えたいことが
読み手の印象に残りやすくなります。
理由で説得力を出す
冒頭で結論を言い切ったら、その結論に至った理由を続けて書いてください。
読み手は冒頭の結論を読んだ時点で「どうしてそういう結論になるのか?」と
疑問を持っています。
結論の次に理由を持ってくることで、
読み手の疑問を解消して冒頭の結論に説得力を持たせるのです。
理由を書く際に「なぜなら」や「理由としては」と始めると、
これから冒頭の結論に至った理由を説明することが分かりやすいです。
特に文章ではなく口頭でPREP法を使ったプレゼンなどを行う場合には、
「理由としては」などの接頭語を置いた方が分かりやすくなります。
具体例で理由の裏付けを行う
結論→理由と来たら次は具体例を続けて書いていきます。
理由を説明することで読み手は冒頭の結論をある程度理解してくれますが、
具体例を挙げて読み手の理解をさらに深めるのです。
目で見る方がより分かりやすいので、
使えるなら図表や画像といった視覚的に具体例を挙げると良いです。
図表や画像を使えない場合は、
身近な固有名詞などを使って読み手が想像しやすくしてみてください。
特に専門的なことに関するテキストの場合は、
専門知識を持たない人に分かりやすい身近な例を挙げることを意識しましょう。
最後の結論でダメ押し
結論→理由→具体例と来て最後にもう一度結論を書きます。
冒頭では短く言い切る形の文章でしたが、
最後の結論は先に書いた理由や具体例を交えながらまとめる形にします。
理由を説明して具体例を紹介した時点で読み手の理解はかなり深まっているので、
最後に結論をもう一度書くことでダメ押しをするわけです。
最後をにダメ押しをすることで結論を再確認して、
読み手は結論がしっかりと印象に刻み込まれます。
PREP法にはデメリットがないわけではない
PREP法には「情報が伝わりやすい」「説得力が出る」などのメリットがありますが、
デメリットもないわけではありません。
PREP法の大きなデメリットとしては
「人の耳目を集める面白い文章は作れない」ことが挙げられます。
本来は最も盛り上がるいわゆる「オチ」の部分である結論を
PREP法では冒頭で言ってしまいます。
TVなどで芸能人が話している「すべらない話」は、
最後の最後にオチ=結論を言うので面白くなるのです。
最初にオチを言ってしまうと、どんなに面白い話でも面白くなくなってしまいます。
PREP法はあくまで伝えたいことが伝わりやすくなるライティング方法ですから、
人の耳目を集める面白い文章を書くのには適していません。
スピーチの原稿や物語を書く時には、
PREP法ではなく起承転結を意識した構成にしましょう。
機械的な印象を与える
PREP法を使って書いた文章は読み手に機械的な印象を与える可能性があります。
結論→理由→具体例→結論と構成が決まっているので、
誰が書いても最終的には同じような文章になってしまうのです。
PREP法を使った文章を簡単に書くと「○○はXXです。なぜならXXだからです。
実際に
はXXです。だから○○はXXなのです」となります。
何やら数学の証明みたいな文章で、
文章から感情や人間味といったものは感じられません。
最近はAIを使って文章を作成することができるため、
PREP法を使った文章はより機械的な印象を与えやすくなっているわけです。
慣れるまではライティングに時間がかかる
PREP法を使った文章を書くには、
最初の内は書き慣れた構成の文章よりも時間がかかります。
構成自体は単純なのですが、
理由の部分で冒頭の結論を分かりやすく明確に説明しなければいけません。
具体例は理由を裏付けするもので読み手の理解をより深めるものですから、
身近でなおかつ理由を裏付けするのに適した事例を探す必要があります。
PREP法を使った文章を書き慣れない内は、理由を分かりやすく書けない、
適した具体例を見つけられないといったことで時間がかかってしまうわけです。
構成は単純ですから、
慣れてしまえば起承転結で構成される文章よりも簡単に書けるようになります。
とにかく書き慣れることですから、メールやSNSなど仕事に影響のないところで
PREP法を使った文章を書くことから始めてみてください。
PREP法を使った例文
一応この記事もPREP法を意識して書いていますが、
より具体的なPREP法を使った例文をいくつか紹介します。
『読み手に伝わりやすい文章を書きたいなら「PREP法」を使ったライティング方法が
おすすめです。
なぜなら「結論」「理由」「具体例」「結論」の構成で書くのがPREP法で、
最初に一番伝えたい結論を持ってくることで読み手に伝わりやすくなるからです。
「魚は水性生物で毒を持っていて食べらないものも居るなど多種多様ですが、
カルシウムなど栄養素が摂取できるので魚を食べましょう」
「魚は積極的に食べてください。
なぜならカルシウムなどの栄養素が摂取できるからです。
実際に○○にはXXmgのカルシウムが含まれています。
健康を維持するためにも魚を積極的に食べましょう。」
上記の2つの文章、下はPREP法を意識して書いたもので「魚を食べてほしい」という
書き手の思いが上の文章よりも伝わりやすくなっています。
PREP法を意識して文章を書くことで伝えたいことが読み手に伝わりやすくなるので、
PREP法を使って文章を書いてみてください』
『』内がPREP法を使ってPREP法について書いた例文です。
文章力が拙いので十分ではありませんが、「読み手に情報を伝えたいなら
PREP法を使うのが良い」ということが理解できる文章になっているはずです。
PREP法を使わない例文と比較
次に同じくPREP法についての文章をPREP法を使わずに書いてみます。
『PREP法は「結論」「理由」「具体例」「結論」の構成で文章を書く方法のことです。
主にビジネスシーンで用いられており、簡潔で説得力のある文章がかけます。
決まった構成の則って書くため機械的な印象を与えやすく、
面白い文章を書くのには適していません。
しかしPREP法で書いた文章は、
書き手の伝えたいことが読み手に伝わりやすくなります。
なので読み手に伝わりやすい文章を書きたい場合にはPREP法を使ってみてください』
先のPREP法を使った文章と比較してどうでしょうか、
PREP法を使わない文章の方が書き手の伝えたいことが少し分かりにくいです。
まとめ
PREP法を使って文章を書くことで伝えたいことが読み手に伝わりやすくなります。
機械的な印象を与えたり、
面白い文章を書くのには適していないなどPREP法も万能ではありません。
ただ「情報を伝えること」に特化した文章が書けますから、Web制作など
ビジネスシーンで使える時にはPREP法を使って文章を書いてみてください。