集客の戦略を立てるのに必要なのはたったの5ステップ

「ネットショップや実店舗の集客を増やす戦略を立てろ」と言われて
頭を抱えているビジネスパーソンも少なくないはずです。

確かに「集客の戦略を立てる」とは漠然としていますが、
実は5つのステップを踏まえれば集客の戦略を立てることはそれほど難しくありません。

集客の戦略を立てるための5ステップ

集客の戦略を立てるのに必要なのは
 1.目標の設定
 2.ターゲットの設定
 3.最適な集客方法の選定
 4.施策の実行
 5.施策の効果の検証と次の施策の検討
という5ステップです。

簡単に言うと、集客目標とお客さんとして誰を想定しているのかを決めて、
それぞれに最も有効と考えられる集客方法を考えて実行するということです。

イベントなど1回限りの集客なら実行して終わりでも良いですが、
ネットショップや実店舗の集客だと継続して行わなければいけません。

集客を目的とした施策を実行した後で、実際に集客効果があったのか、
あったとしたらどの程度あったのか、なかったら何が良くなかったのかを検証します。

検証して効果のあったものは継続して利用、あまりなかったものは改善もしくは変更して、
次にどういった施策を行うのかを検討するといった流れになるのです。

では集客の戦略を立てるための5ステップそれぞれについて、
もう少し具体的にお話していきましょう。

目標の設定

集客に関する戦略を立てる際には、
第1ステップとして「目標」を設定しなければいけません。

要するに「なぜ集客を増やしたいのか」を考えるのですが、
ネットショップや実店舗の場合は一般的に「売り上げアップ」が最終的な目標となります。

ただ単に「売り上げアップ」では目標として曖昧すぎるので、もっと具体的に
「前月比○○円アップ」とか「前年比△%アップ」など具体的な数値目標を設定します。

売り上げアップの具体的な数値目標を設定することで、
集客目標の具体的な数値も見えてきやすくなるのです。

例えば顧客1人当たりの単価が1万円で、
売り上げ月10万円アップなら月に10人顧客を増やせば良いことになります。

実際にネットショップにアクセスした人、実店舗に来店した人の成約率もわかっている
はずなので、10人顧客を増やすには来客数をいくら増やせば良いかが見えます。

最終的な数値目標を設定することで、
おのずと短期的に達成すべき数値目標が見えてくるというわけです。

専門的な用語を使うと、売り上げ○○万円アップという最終的な数値目標が「KGI」、
顧客を月に10人増やすといった目標が「KPI」となります。

KGIとKPIについては
 ・最高の結果を出すKPIマネジメント
(https://www.forestpub.co.jp/author/nakao_ryuichirou/lp/kpi/)
 ・2時間でわかる 図解KPIマネジメント入門
(http://www.asa21.com/book/b609976.html)
 ・人と組織を効果的に動かす KPIマネジメント
(https://honto.jp/netstore/pd-book_28711884.html)
などで詳しく解説されているので参考にしてください。

ターゲットの設定

売り上げアップなど集客の最終的な目標を設定したら、
次にお客さんとして来店してほしいターゲットを設定します。

製品やサービスのターゲットとして「20代女性」「40代以上の男性」などを
設定することがありますが、これではターゲットを設定したことにはなりません。

一口に「20代女性」と言っても、20歳と29歳では生活環境も違えば考え方も違いますし、
お金の使い方も変わってきます。

学生なのか社会人なのか、結婚しているのか独身なのか、
子供が居るのか居ないのかなどの条件によって最適なアピール方法が違うのです。

第3のステップである「最適な集客方法の選定」を行うためには、
第2ステップでより具体的なターゲットを設定しておかないといけません。

最適な集客方法の選定のためには、ターゲットでは的が大きすぎるので、
より焦点を絞った「ペルソナ」の設定が必要となります。

ペルソナは元々「仮面」という意味ですが、
ビジネスにおいては「典型的・特徴的な架空のユーザー像」のことを指します。
(https://www.layers.co.jp/terms/persona/)

要するに、実在はしないけれども典型的な購買行動で自社の製品やサービスを
利用してくれる人物像のことです。

例えば20代女性がターゲットだと、ペルソナは
 ・27歳女性
 ・都内の不動産会社に勤務
 ・既婚、同い年で公務員の夫と2歳の長女が居る
 ・地方の公立大学卒業後、東京に本社がある不動産会社に就職
 ・現在は自分と夫の勤務地に近い都内のマンションで生活
 ・もう1人子供ができることを想定して、ゆくゆくは戸建てに引っ越したい
 ・趣味はサーフィン(長女が生まれてからはできていない)
 ・悩み事は寝不足
 ・SNSはInstagramをよく使い、X(旧Twitter)はあまり使っていない
 ・有料の動画配信サービスを利用しているがYouTubeはあまり見ない
 ・後輩女性の話題についていくためにTikTokを最近見始めた
などといった感じになります。

自社の製品やサービスの使用頻度や購入頻度、自分のために使っている
月の金額などの条件も加えると自社との関わりがより見えやすいです。

ペルソナは「自社に都合の良い人物像」ではない

ペルソナを設定する際に、「典型的な購買行動をする人物像」ではなく
「自社にとって都合の良い人物像」にして失敗するケースが往々にしてあります。

典型的な購買行動をする人物は、
必ずしも自社にとって都合の良い行動ばかりするわけではありません。

自社の情報発信を見ていないこともあれば、自社の製品・サービスの利用を
検討したけど購入・申し込みはしないといったこともあるのです。

都合の良い人物は、
自社が積極的アピールしなくても製品やサービスについて調べてくれます。

少々情報が不足している、ホームページが使いにくい、実店舗がどこにあるか
わからないといった状態でも製品やサービスを積極的に購入・申し込みしてくれます。

これだと自社は何もしなくても、
顧客数も売り上げも右肩上がりでアップすることになるのです。

都合の良い人物をペルソナにすることで、
有効な集客方法が見えなくなってしまうわけです。

実際は都合の良い人物ばかりではありませんから、自社にとって都合の良い人物像を
ペルソナにするとどんな施策を実行しても上手くいきません。

最適な集客方法の選定

ペルソナを設定したら、第3ステップとして「最適な集客方法の選定」を行います。

先に設定したペルソナに、
どのような形でアピールすると最も効果的なのかを考えるのです。

先の27歳女性のペルソナだと、共働きで小さい子供が居て寝不足が悩みなので
「時短」「効率化」「簡素化」といった言葉に魅力を感じる可能性が高いです。

戸建てが欲しいことからお金を貯めていると推測されるので、
「節約」とか「お得」といった言葉にも弱いと考えられます。

XよりもInstagramで情報発信した方が目にしてもらいやすいですし、
YouTubeよりもTikTokで広告を配信するのがベターだとわかります。

少し予算に余裕があるなら、
有料の動画配信サービスに広告を出稿するのも効果的です。

第2ステップを詳細なペルソナを設定しておくことで、
おのずと最適な集客方法が見つかりやすくなります。

施策の実行

最適な集客方法の選定が済んだら、
第4ステップとして選定した施策を実行へと移します。

第3ステップで施策については綿密に検討を重ねているはずですから、
実行に移すだけの第4ステップではそれほど注意することはありません。

ただ1つ「施策の実行は第4ステップであって最終ステップでないこと」だけは
留意しておいてください。

イベントなどの1回限りの集客なら施策を実行して終わりですが、
一般的なビジネスでは継続して集客を行うことになります。

1回限りの集客であっても、次回同様のイベントを行うときにはまた集客について
検討しなければいけません。

施策を実行に移したら、施策が想定通りの成果を上げているのか、
最終的な目標達成に貢献しているのかをしっかり確認しておきましょう。

施策の効果の検証と次の施策の検討

施策を実行した結果、集客数がどうなったのかを検証するのが
集客の戦略を立てる際の最終ステップとなります。

集客数が増えたのか変わらなかったのか減ったのか、
その結果売り上げがアップしたのか現状維持かダウンしたのかを検証します。

次に、施策を行ったことで集客数や売り上げが上がったり変わらなかったり
下がったりしたのはなぜなのかを考えるのです。

継続して利用できるプラスの効果は何だったのか、マイナスの効果は
どこに原因があってどのように改善すれば良いのかといったことを把握します。

今回の施策で得られた成果を次回どのように生かすかを検討し、
第1ステップに戻って次の施策を考えることになります。

まとめ

集客の戦略を立てるには
 1.目標の設定
 2.ターゲットの設定
 3.最適な集客方法の選定
 4.施策の実行
 5.施策の効果の検証と次の施策の検討
という5ステップを踏むことが重要です。

もし5ステップを踏んでも効果的な集客の戦略が立てられない場合には、
Webコンサルタントなど専門家に相談してみてください。