フェイス率とはWebサイトの宣伝効果を左右するもの

広告系のWebサイトでは「人物が写った画像」を使いますが、
その画像の「フェイス率」によってWebサイトの宣伝効果が大きく変わります。

ではフェイス率とは何なのか、
フェイス率によって宣伝効果がどのように変わるのかを詳しく見ていきましょう。

フェイス率は画像における顔の割合

フェイス率は画像の中で人物の顔が占める割合のことです。

人物の顔を大写しにして顔だけが写っている画像は「フェイス率が高い」、
反対に人物の全身が写っている画像は「フェイス率が低い」となります。

一応フェイス率の計算式のようなものもあり、
画像内における人物の「顔の高さ÷身体の高さ」でフェイス率が算出できるそうです。

例えば顔が大写しになっていて身体がほとんど写っていない画像は「フェイス率1」、
顔が写っていない身体だけの画像は「フェイス率0」となります。

顔を含めた全身が写っている画像は「フェイス率0.2~0.3」、
バストショットは「フェイス率0.5」などとなるのです。

何となく難しいそうな話に聞こえますが、要するに人物の顔が
どの程度大きく写っているかを示すのがフェイス率だと思っておけば大丈夫です。

フェイス率で強調される部分が変わる

同じ人物を写した同じ画像でも、
フェイス率を変えると画像の強調される部分が変わります。

人物の顔が大きく写ったフェイス率の高い画像では、
当然ですが人物の顔に見ている人の目が行きます。

自然と顔に目が行くということは、
フェイス率の高い画像は人物の顔を強調することになるのです。

反対に人物の全身を写したフェイス率の低い画像では、
見ている人の目は人物の顔よりも身体の方に向きやすくなります。

画像のフェイス率を下げると人物の顔よりも身体が強調されるのです。

フェイス率で写っている人物の印象も変わる

フェイス率は見ている人の意識を顔に向けるか身体に向けるかだけでなく、
画像に写っている人物に対する印象にも影響を与えます。

フェイス率が高いいわゆる顔の比率が大きい画像は、
写っている人物の外見よりも内面に見ている人の関心が向きます。

実際にメイク動画などで顔が大写しになっているのを見ると、
動画の内容より「優しそう」「気が強そう」などモデルさんの内面に意識が行きがちです。

身体がほとんど写っていないこともありますが、
フェイス率の高い画像では人物のスタイルやファッションには目が行きません。

フェイス率の低い顔の比率が小さい画像は、
写っている人物の内面よりも外見に関心が集まります。

ファッション雑誌などの全身が写っているショットを見ると、
モデルさんの顔よりもスタイルやファッションに意識が向きます。

フェイス率の低い画像では人物の内面には関心があまり向きませんから、
優しそうとか気が強そうといった内面的な印象を持たれることもあまり無いのです。

フェイス率が高い画像の代表例

フェイス率が高い画像の代表例は「選挙ポスター」です。

選挙の公示日になると街中に設置された掲示板に選挙ポスターが貼られますが、
そのほとんどが候補者の顔を大写しにしたものとなっています。

時折顔が写っていないものは見かけますが、
候補者の全身が写っている選挙ポスターはほとんど見かけないです。

選挙で重要なのは「人柄」であり、どんなに優秀な人でも「性格が良くなさそう」
「意地悪そう」と有権者に思われると当選できません。

反対に「良い人そう」「優しそう」などの印象を有権者に持ってもらえると、
能力の如何に関わらず票が集まる可能性が高くなります。
(選挙に立候補している時点で能力があるのは間違いないですが・・・)

見ている人の意識が内面に向きやすいフェイス率が高い画像を選挙ポスターに
使うことで、有権者に候補者の人柄をアピールしているというわけです。

フェイス率が低い画像の代表例

フェイス率の低い画像が使われているものの代表例は「ファッション雑誌」です。

メイクや帽子・アクセサリーの特集で、
モデルさんの顔が大きく写っている画像が使われていることもあります。

しかしファッション雑誌では基本的にモデルさんの全身が写っている
いわゆるフェイス率の低い画像が多く使われています。

ファッション雑誌がアピールしたいのは、
モデルさん自身ではなくモデルさんが着用している衣服です。

画像のフェイス率を下げることで、
モデルさんの顔よりも衣服の方に注目を集めているわけです。

何をアピールしたいのかで画像のフェイス率を変える

広告を目的としたWebサイトを作る際には、
そのサイトで特に何をアピールしたいのかで画像のフェイス率を変えます。

例えば化粧品の広告サイトはフェイス率の高い画像を使うのが当たり前として、
健康食品やサプリの広告サイトの画像のフェイス率も高い方が良いです。

健康食品やサプリは外見的な健康や美しさに直結するものではなく、
身体の内側から健康になる美しくなることを目的としているものが多いです。

フェイス率の高い画像を使って写っている人物の顔に目が向けば、
自ずと肌のハリやツヤに関心が集まって宣伝効果が高まります。

またフェイス率の高い画像は人物の顔に関心が集まるだけでなく、
「上品さ」や「知性」といった印象を強める効果も持っています。

通販サイトなどの指輪の商品ページでは、
モデルさんが指輪をはめた手を顔の近くに持っている画像をよく見かけます。

モデルさんの顔の近くに商品である指輪を持ってきて、
画像のフェイス率を高めて上品さや高級感を演出しているのです。

メガネの商品ページでは、メガネ単体の画像とともに
モデルさんが実際にそのメガネをかけたフェイス率高めの画像が使われています。

メガネをかけた時の顔の印象とともに「メガネをかけることでこれだけ知的に見えます」
ということもアピールしているわけです。

外見や機能を重視する商品の広告はフェイス率低めの画像を使う

衣服のように見た目を重視する商品の広告では、
モデルさんの顔の比率が小さいフェイス率低めの画像を使うのが一般的です。

またパソコンやスマホなどのように機能を強調したい商品の広告でも
フェイス率の高い画像はあまり使いません。

フェイス率の高い画像では商品よりも人物の方に関心が集まりがちで、
商品が持つ効果をアピールするのには良いですが商品そのものの印象は薄くなります。

衣服は着用することで見た目がどう変わるかが重要ですから、
人物そのものではなくその衣服を着た人物を見たいのです。

パソコンやスマホも使った人がどうなるかよりも
パソコンやスマホで何ができるかの方がが重要となります。

フェイス率を低めることで写っている人物への関心を薄めて、
その人物が着用している所持している商品にスポットを当てるわけです。

スポーツ系やダイエット系の商品にはフェイス率が低い画像を使う

健康食品やサプリの広告にはフェイス率が高い画像を使う方が良いと言いましたが、
スポーツ系やダイエット系の商品にはフェイス率の低い画像の方が適しています。

同じモデルさんの顔だけが写っている画像と全身が写っている画像を見比べると
分かりますが、顔だけの方が若干太って見えます。

もちろん顔の輪郭によるものの、
特に丸顔の人だと顔のアップ画像は実際よりも太って見えてしまうのです。

特にダイエット系の商品は「使えば痩せる」ことをアピールしたいですから、
太って見える画像よりも痩せて見える画像を使う方が効果的です。

単に商品の系統によって杓子定規にフェイス率を決めるのではなく、
商品の特性に合ったフェイス率の画像を使うことがより重要となります。

ターゲットの年齢層によってフェイス率を変える

宣伝したい商品によってだけでなく、その商品のターゲットとなる年齢層によっても
画像のフェイス率を変えないといけません。

年齢層が上がるほど上品さや知的さを好むようになるので、
ターゲットの年齢層が高い商品の宣伝ではフェイス率の高い画像を使います。

反対に年齢層が下がるとポップさや手軽さが好まれますから、比較的低い年齢層を
ターゲットにしている商品の広告にはフェイス率の低い画像が適しています。

あくまで商品の特性が優先ではありますが、
商品によってはターゲットの年齢層を意識したフェイス率の画像を使うのも有効です。

堅いイメージか柔らかいイメージか

商品が持つイメージの硬軟によっても、
広告に使う画像のフェイス率を変えるとより効果的です。

フェイス率の高い画像は堅い印象を見ている人に与えます。

とっつきにくいというよりも信用が置ける堅さですから、
フェイス率の高い画像を使うことで商品の信頼性や信ぴょう性が高められます。

例えば金融商品やセキュリティ系の商品は「信用できること」が何より重要なので、
広告サイトではフェイス率の高い画像を使うと効果的です。

フェイス率の低い画像は見ている人に柔らかい印象を与えます。

決して信用が置けないわけではなく、
見ている人がどちらかと言うと思慮よりも感情を優先するようになるのです。

「楽しい」とか「ワクワクする」といった感情を喚起させられるので、特にエンタメ系の
商品やサービスはフェイス率の低い画像を使う方が効果が高くなります。

同じ画像でも切り抜き方で大きく印象が変わる

同じ人物が写っている同じ画像でも、
切り抜き方でフェイス率を変えると見ている人の印象も変わります。

フェイス率を高めると同じ人物でも上品さや知的さが前面に出てきますし、
フェイス率を低くすると若々しさやアクティブさが前へ出てきます。

プライベートで投稿するSNSの画像や仕事用のプロフィール写真でも同じです。

人にどう見られたいか、自分の何をアピールしたいのかを考えてSNSやプロフィールに
使う画像を撮影・切り抜きすると自分自身のブランディングにも役立ちます。

まとめ

フェイス率は画像に占める人物の顔の割合のことで、
その高い低いで見ている人に与える印象が大きく変わります。

Web制作で人物の画像を使う際には、フェイス率を意識しないと画像が
マイナスの効果を生むことにもなるので注意してください。