シンプルな企業ホームページ制作のポイントは「余白」と「色」にアリ

シンプルなのに印象に残る企業ホームページを作るのは簡単ではありませんが、「余白」や「色使い」を意識すればシンプルながら印象に残るホームページが作れます。

では余白や色使いを意識するだけで本当にシンプルで印象に残るホームページが作れるのか、実例とともに見ていきましょう。

シンプルな企業ホームページを作る際のポイント

企業ホームページをシンプルなデザインにするには「余白を作る」ことが
重要なポイントです。

残念ながら現在の日本のマーケティング分野では
余白はないがしろにされることが多くなっています。

できるだけ余白を作らないのがホームページ制作でも主流で、
情報をたくさん詰め込んで余白を無くすのがベターとされているのです。

しかしテキストや画像の周りにあえて余白を作ることで、
テキストや画像をより際立たせて強調できます。

例えば街中で「Appleストア」を見かけることがありますが、Appleストアの外壁に
大きく描かれたリンゴのロゴマークの周りには余白が作られています。

余白が多く色合いも決して目立つものではないのに、
一目でそこにAppleストアがあることが分かるのです。

情報を詰め込めるだけ詰め込んだ余白の無いホームページは一見派手で、
印象に残りやすいと感じます。

ところが実際に余白がほとんど無いホームページを閲覧した人は
「ごちゃごちゃした印象」しか残らず、内容は印象に残らないのです。

あえて情報を減らして余白を作ることで掲載されている情報が強調されて、
伝えたいことが伝わりやすくなるというわけです。

また余白の多いホームページは高級感や上品さも感じられますから、
企業のブランディングにもプラスとなります。

ただし余白を作るには、
テキストの書き方や画像の選び方を工夫しなければいけません。

配色

シンプルな企業ホームページを作るには「配色」にもこだわらないといけません。

背景やテキスト、画像でたくさんの色を使うとカラフルでインパクトが強くなりますが、
統一感が無くごちゃごちゃした印象になってしまいます。

使う色を絞ることでホームページに統一感が出て、
閲覧しやすく情報が伝わりやすくなるのです。

ホームページの配色は
 ・ベースカラー
 ・メインカラー
 ・アクセントカラー
の3色が基本です。

基本の3色をバランス良く使うことで、
シンプルかつ印象に残りやすいホームページとなります。

ちなみにベースカラーは背景や余白などに使われる色で、
ホームページの約70%の面積を占めます。

メインカラーは社名やロゴなどに使う色で、
全体の25%程度の最も伝えたい部分に使う色です。

アクセントカラーは会社概要や資料請求などのボタンに使う色で、
ベースカラーやメインカラーの反対色を使うことで目につきやすくなります。

シンプルな企業ホームページの実例

先に紹介したポイントを抑えたシンプルな企業ホームページの実例を
いくつか紹介しましょう。

余白を効果的に使っているのが「株式会社オリコン(https://www.oricon.jp/)」の
ホームページです。

トップビューには「ORICON」のロゴと「ファクト-事実-を情報化する」という
コンセプトだけが配置されています。

余白部分には赤・青・黄のコーポレートカラーを使ったアニメーションが使われており、
余白だけでなく色の使い方も上手いです。

また背景に動きを付けることで、
閲覧している人に画面をスクロールしたくなるという効果も加わっています。

上手い配色でシンプルかつ印象に残るのが
「株式会社壁勝(https://kabesho.com/)」のホームページです。

京都の左官工事を行う企業で、トップビューの右半分が作業写真、
左半分にロゴとコンセプトなどを配置しています。

白のベースカラーに黒のロゴやテキストというシンプルな配色で、
自然と右半分の作業写真に目が行くようになっているのです。

あえて2色に配色を抑えることで、
企業にとって大切な「実直さ」や「誠実さ」がアピールできています。

余白と配色の両方を上手く取り合わせているのが福島県の老舗和菓子店
「くわざわ(https://kuwazawa-wagashi.com/)」のホームページです。

トップビューには「くわざわ」という店名とお店で製造販売している和菓子の写真が
配置されています。

和菓子の写真は和菓子だけを切り取ったシンプルなもので、
それぞれの和菓子の特徴が分かりやすいです。

和菓子だけを切る取ることで画像に統一感があり、
たくさんの種類の和菓子が掲載されていてもごちゃごちゃした印象を受けません。

またベースカラーを白、テキストを黒とシンプルにすることで、
和菓子のカラフルさも際立っています。

シンプルな企業ホームページとは

「シンプル」とされるデザインを採用している企業ホームページに共通しているのは、
「欲しい情報を見つけやすい」ことです。

企業ホームページは、企業や製品・サービスなどについての
正確な一次情報を確認したい場合に閲覧します。

シンプルな企業ホームページの多くは、
利用者が欲しいと思っているであろう情報を探しやすくなっているのです。

企業ホームページをシンプルにするには、顧客や見込み客が
自社のどういった情報を欲しているのかをしっかり把握しておかないといけません。

単に情報量を少なくするのではなく、必要な情報はしっかりと分かりやすく掲載して
不要な情報はそぎ落とすことがシンプルな企業ホームページでは求められるのです。

企業ホームページをシンプルにするメリット

企業ホームページのデザインをシンプルにするメリットとしてまず挙げられるのが
「利用者に情報が伝わりやすい」ことです。

ごちゃごちゃしたホームページは情報量が多いのですが、
情報量が多いと「本当に伝えたいこと」がぼやけてしまいます。

利用者側からしても、ごちゃごちゃしていると欲しい情報を探しきれずに
途中離脱してしまうことも多くなってしまうのです。

またホームページデザインが複雑だと、
利用者の関心がデザインの方に向いてしまって肝心の企業情報が伝わりにくくなります。

シンプルなデザインで要点を絞って情報を掲載することで、
利用者に途中離脱されることなく知ってもらいたい情報が伝わりやすくなるわけです。

シンプルな企業ホームページは運用も楽

企業ホームページをシンプルにすることで「ホームページ運用が楽になる」という
メリットも生まれます。

どんなホームページも作ったら終わりではなく、
定期的に情報を更新して正確かつ最新の情報を発信しなければなりません。

情報に齟齬があってはいけませんから、
内容が関連するページは全て更新が必要となります。

ページ数や情報量の多いホームページだと、
ちょっとした更新でも複数個所・ページに渡っての作業が必要です。

シンプルなデザインで情報量を絞ることで更新箇所が少なくなり、
担当者の負担が減って更新漏れの心配も少なくなるのです。

ホームページの制作・運用コストが抑えられる

デザインをシンプルにすることで、
ホームページの制作や運用にかかるコストを抑えられます。

ホームページの制作費用はページ数に比例しますから、
情報を詰め込んでページ数が増えると制作費用も増えます。

運用についても凝ったデザインで情報量の多いホームページだと、
更新作業に人手を割くことになります。

場合によってはホームページを制作した会社に更新作業を任せることもあり、
運用コストも嵩む可能性が高いのです。

掲載する情報を絞ってシンプルなデザインにすれば、
ホームページのページ数が少なくて済ますから必然的に制作コストは下がります。

更新作業も自社で少ない人数で可能なので、
運用にかかるコストもそれほどかかりません。

どんな企業にとってもコストカットは至上命題の1つですから、シンプルで費用対効果の
高いホームページを作ることは企業には大きなメリットとなります。

シンプルな企業ホームページのデメリット

企業のホームページをシンプルなデザインにするデメリットとしては
「掲載する情報量が少なくなってしまう」ことが挙げられます。

シンプルな企業ホームページでは利用者に伝わりやすくするために掲載する情報を
絞るので、どうしても情報量が少なくなってしまいます。

情報量が少なくなるので、掲載する情報の取捨選択を間違えると利用者にとって
「痒い所に手が届くホームページ」になりえません。

単にシンプルにすれば良いわけではなく、
利用者が求めているであろう情報を過不足なく掲載することが必要なのです。

必要な情報を過不足なく掲載するには、顧客や見込み客が自社に対して
何を求めているのかを正確に把握しておかないといけません。

マーケティングなどでの丹念な情報収集が必要で、
シンプルな企業ホームページを制作するには担当者の負担が多少大きくなります。

特徴の無いホームページになってしまいがち

企業ホームページに限らず、ホームページのデザインをシンプルにすると
「特徴の無い」ものになってしまいがちです。

特徴の無いホームページは閲覧した人の印象に残りにくく、
閲覧数が増えても売上などの業績に繋がりません。

シンプルな企業ホームページを作ることは簡単ですが、
単にシンプルなだけでは全く意味の無いものになってしまいます。

ホームページをしっかりと業績に繋げるのであれば、
シンプルかつ閲覧した人の印象に残るデザインでなければいけません。

ごちゃごちゃしていてインパクトのあるホームページは、
多少Webについての知識を持っていると作れます。

しかしシンプルかつ印象に残るホームページは簡単に作れないので、
当然Webデザイナーなど専門家の手を借りる必要があります。

より高度な知識・技術を持つ専門家の手を借りることになりますから、
同じ規模の一般的なホームページ制作よりもコストが増える恐れがあるのです。

まとめ

シンプルな企業ホームページを作るには「余白」と「色」を上手く使うことが重要です。

余白が少なくて色が多すぎると閲覧している人にごちゃごちゃした印象を与えるだけで、
伝えたいことが伝わりにくくなってしまいます。

専門家の力を借りるなどして余白と色を上手く使った費用対効果の高い
シンプルなホームページ制作を目指してください。